成瀬整骨院ブログ

緊急ペーシングについて 1/2

2014年2月17日 14:48

こんにちは横浜市金沢区の肩こり・成瀬整骨院のスタッフです。


緊急ペーシングについて以下参考として引用します。1/2


今日の治療方針
私はこう治療している
総編集 山口 敬 北原光夫 福井次矢
TODAY'S THERAPY 2010 医学書院
より引用

緊急ペーシング
Emergency cardiac pacing
佐々木淳一 東北大学大学院講師・救急医学分野

 救急医療の現場において、脳虚血症状や血行動態の悪化による心不全徴候を伴うなどの症候性の徐脈性不整脈は、原則的に緊急(一時的)ペーシングの適応になる。緊急ペーシングには、経皮ペーシング、経静脈ペーシング、経食道ペーシング、経皮的心筋電極刺入法があるが、前2者が選択されることが多い。特に経皮ペーシングは、簡易、迅速、安全に施行することが可能であり、一般臨床医も修得しておくべき手技の1つである。ただし、経皮ペーシングは長時間行う方法ではなく、経静脈ペーシングを施行するまでの一時的な応急処置と考えるべきである。

経皮ペーシング(TCP:transcutaneous pacing)
 米国心臓病協会(AHA)の「心肺蘇生と救急心血管治療に関する国際ガイドライン」(ガイドライン2000)の改訂版である「ガイソライン2005」では、循環不全の徴候を伴う症候性の徐脈性不整脈に対して、硫酸アトロピンの投与と同時にTCPを開始することが、classⅠで推奨されている。循環不全の症候としては、胸痛、呼吸困難、意識レベルの低下などの自覚症状、ショック、肺うっ血などの他覚症状が挙げられる。特に臨床症状が不安定な場合は、アトロピンの効果を待たずにTCPを開始するべきである。
適応
 1)血行動態的に不安定、すなわち循環不全徴候を伴う徐脈性不整脈
 2)薬剤抵抗性の徐脈性不整脈。
 3)以下の状態を有する急性冠症候群患者で、緊急ペーシングが必要な場合。①症候性の洞性徐脈、②MobitzⅡ型の2度房室ブロック、③3度房室ブロック。
 4)新たに出現した心室内伝道障害(左脚、右脚、あるいはいずれかの脚ブロックか2ブロックなど)。
適応に関する注意点
 1)心静止に対するTCPは、上記「ガイドライン2000」においては必要と考えられれば即座に開始するとされていたが、「ガイドライン2005」では推奨されていない。発生間もない心静止も適応外である。特にTCP実施のために、胸骨圧迫を中止することは避けるべきである。
 2)高度の低体温症例の徐脈は生理的反応と考えられ、また心室細動が誘発されやすいため、TCPは禁忌である。
 3)急性冠症候群では、スタンバイ・ペーシングとして、臨床的悪化が推測される場合いTCPの電極をあらかじめ貼付しておくことがある。




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