成瀬整骨院ブログ

二次救命処置(ALS)について 2/3

2014年2月11日 11:14

こんにちは横浜市金沢区の肩こり・成瀬整骨院のスタッフです。


二次救命処置(ALS)について以下参考として引用します。2/3


今日の治療方針
私はこう治療している
総編集 山口 敬 北原光夫 福井次矢
TODAY'S THERAPY 2010 医学書院
より引用

二次救命処置(ALS)
Advanced life support(ALS)
林 寛之 福井県立病院・救命救急センター科長

ALSの手順
1.BLSに引き続き、除細動可能な波形かどうかを確認する 成人の心肺蘇生成功の鍵は、心室細動・脈なし心室頻拍に対して除細動までの時間を短くすることである。BLS(一次救命処置)+AED(自動式体外除細動器)の流れはprimary ABCD〔A:Airway(気道)、B:Breathing(呼吸)、C:Circulation(循環)、D:Defibrillation(早期除細動)〕となっており、続く二次救命処置では器具を使用してsecondary ABCD〔A:Airway(気管挿管などより確実な気道確保)、B:Breathing(人工呼吸)、C:Circulation(輸液路確保および薬剤投与)、D:Differential diagnosis(救命可能な疾患の鑑別)〕につながっていく。
 目の前で急に倒れた場合は、人工呼吸をしないで心マッサージだけでもいいという報告が相次ぎ、アメリカ心臓病学会でも、2008年に条件付で(成人で目の前で弓に倒れた場合に限り)心マッサージのみ(Hands-only CPR)による蘇生術が推奨されることになった。外傷や中毒など、小児ではこの推奨は当てはまらない。BLSでは、心マッサージ:人工呼吸が30:2が推奨される(小児で2人法では15:2)が、近年心マッサージを連続200回施工後、解析(必要に応じて除細動)を3サイクル行い、同時に早期エピネフリンを投与するものの、気管挿管は遅らせるというプロトコールで蘇生率が向上したという報告がある。絶え間のない心マッサージにより冠動脈圧を上げることがいかに大事かを示唆し、今後の心肺蘇生ガイドラインにも影響を及ぼすことになるであろう。
 BLSに続いて、気管挿管や輸液路確保の前に心室細動・脈なし心室頻拍を確認したら、除細動を1回行う。心肺停止から3-4分以上経過している場合は、心マッサージを約2分間行ってから除細動したほうが蘇生率が高くなる。
 二相性の除細動器なら各メーカー推奨のジュール(120-360ジュール)で行う。単相性なら200-360ジュールで行う。二相性の利点は単相性より電位が低い分、心筋障害が少なくてすむということにある。除細動の1回目を行い、直ちに心マッサージを継続する。これは、心拍再開をしてもすぐには、十分な心拍出量が得られないこと、戻った心臓に心マッサージをしても心室細動を誘発したという報告はないという理由から、なるべく心マッサージ中断時間を減らす意味でも、継続して心マッサージをすることが現ガイドラインでは推奨されている。心マッサージ中断時間は10秒以内とする。
 波形の確認は、体動や自発呼吸の再開などの明らかな循環サインがなければ2分間心肺蘇生をしてから行う。病院、特に救急室など器具が揃っている場合は、早期にモニターにつなげられ、心エコーもしようできるであろう。その場合は、除細動後、波形音が確認できれば、心エコーなどで10秒以内に心臓の動きを確認することは容易にできる。心拍再開した心臓を無駄に圧迫することは避けられる。心エコーの使用はスタンダードとは言えないが、世界的普及による事情であり、自施設ですぐに使える状況である場合には有効な検査となる。
 モニターが心静止の場合、リード線のはずれ、さざなみ心細動(fine VF)の見逃し(モニターの感度を上げて確認)、潜在的心室細動の見逃し(誘導を変えて確認)に気をつける。心エコーがあれば10秒以内に心収縮の有無を確認できる。
 完全に心静止の場合、各施設により心肺蘇生中止のプロトコールを設けておくべきであろう。低体温や中毒、小児以外は、長時間にわたる無益な心肺蘇生の継続は医療資源的無駄につながる。死後硬直や死斑、DNAR(do not attempt resuscitation)では蘇生適応外である。
 モニター上、脈が触知できるであろうはずのなんらかの波形が出ている場合は、頸動脈拍動を触知する。脈が触知されなければ、PEA(pulseless electrical activity:無脈性電気化活動)である。この場合も心エコーがあれば、心収縮の有無はより確実に確認できる。心臓が弱々しく収縮するものの脈を触知できない場合は、積極的な蘇生術が望ましい。




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