成瀬整骨院ブログ

気道異物除去について

2014年3月14日 17:35

こんにちは横浜市金沢区の腰痛・成瀬整骨院のスタッフです。


気道異物除去について以下参考として引用します。


今日の治療方針
私はこう治療している
総編集 山口 敬 北原光夫 福井次矢
TODAY'S THERAPY 2010 医学書院
より引用

気道異物除去
Removal of airway foreign bodies
荻野隆光 川崎医科大学准教授・救急医学

 気道は解剖学的に声帯を境に、上気道(口腔、鼻腔から咽頭、喉頭まで)と下気道(気管、気管支)に分けられる。気道異物は、生後6か月から3歳ごろの乳幼児と高齢者に多い。乳幼児は、いろいろな物を口に入れ誤嚥するが、ピーナッツなどの豆類誤嚥が最も多い。また、高齢者は脳血管障害や認知症などで嚥下機能が低下していると食事中に食物や入れ歯を誤嚥する場合が少なくない。異物で気道が完全に閉塞した場合には、短時間で心肺停止に至るので一次・二次救命処置が必要になる。気道の内径に比して異物が小さいか、異物が気管支より末梢に迷入し、気道の閉塞状態がなければ、直ちに気道確保の救命処置は必要ない。
気道異物の診断
 突然発症の咳嗽、喘鳴、チアノーゼ、窒息症状(声が出せない、息ができないので首に手を当てるなど)があれば気道異物を疑う。このような症状が発現する前に、乳幼児であれば何か口にくわえていたとか、高齢者であれば食事の最中であったことが、家族等に目撃されていれば診断は比較的容易である。
 乳幼児では、症状発現時の状況が不明の場合、呼吸音の低下や喘鳴等の気道閉塞を疑わせる呼吸困難症状が機微な場合、および異物が気管支レベルより末梢に移動し気道閉塞症状が短時間で軽快する場合には、しばしば気管支喘息、肺炎、上気道炎などと診断・治療され、発見が遅れることが少なくない。
 上気道の異物は、咽頭までなら舌圧子や鼻鏡で確認する。後鼻腔の異物はファイバー気管支鏡でないと診断できない。喉頭異物はキシロカインスプレーで局所麻酔の後、喉頭鏡のブレードを舌根部にかけ診療する。バイタルサインが安定しており、完全気道閉塞の所見がなければ、頸部正面と側面の単純X線撮影を行う。
 口腔内および咽頭・喉頭の診療にて異物がない場合、下気道の異物を考慮して胸部の診療および単純X線撮影を行う。金属などのX線非透過性異物では診断が容易である。しかし、X線透過性異物は単純X線による診断は容易でない。気管支異物では、その患側末梢肺野の透過性亢進、気腫様変化を認めることがある。また、呼気相と吸気相の撮影が適切にできれば、縦隔陰影が吸気時に患側、呼気時に健側に移動するHolzknecht徴候が認められる場合がある。さらに、長期に気管支レベルで完全閉塞すれば、その部位より末梢は含気が徐々に低下し無気肺となる。また、その部位に感染すると肺炎像を呈する。
 病歴、理学所見から下気道異物が疑われ、頸部・胸部の単純X線で異物が同定できない場合、原則的には診断と治療を兼ねて気管支鏡を施行する。患者が協力的で、気管が確保されバイタルサインも安定している場合には、CTやMRIを考慮する。特に下気道異物の多くを占めるピーナッツを疑う場合、ピーナッツに含まれる油がT1強調画像で高信号を呈し、ピーナッツをMRIで同定できることがある。
一般医家が行う診断としては、単純X線までであろう。この時点で、胃管異物が疑われたら、耳鼻科、呼吸器科、小児外科などの専門医に紹介するべきである。



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