成瀬整骨院ブログ

骨折の創外固定法について

2014年4月28日 10:28

こんにちは横浜市金沢区の変形性膝関節症・成瀬整骨院のスタッフです。


骨折の創外固定法について以下参考として引用します。


今日の治療方針
私はこう治療している
総編集 山口 敬 北原光夫 福井次矢
TODAY'S THERAPY 2010 医学書院
より引用

骨折の創外固定法
External skeletal fixation
松岡佑嗣 東京医科大学病院・救急医学

 創外固定法とは、骨折部外から骨にピンを刺入し固定用のフレームと連結させて骨折部を固定する骨接合法である。本法は手軽で、骨折部に異物を留置せずに固定ができるので、局所の安静が得られ、他部位の創処置や観察が容易なことなどから救急初療時に広く普及されている。
 最近では多種の固定器が開発されており、骨折の一時固定や根治治療のみならず四肢の変形矯正にも用いられている。
創外固定器の種類
 ①ハーフピンを片側より刺入し、片側の創外固定器の支柱で固定するunilateral型、②貫通ピンを使用し、両側で創外の支柱に固定するbilateral型、③リング状フレームで円周状に固定するcircular型(イリザロフやテイラーフレーム)などがある。
適応
 a)開放骨折:Gustilo分類でTypeⅢB以上では、創外固定で一時的に固定し、創部の感染の状態を確認してから二次的に根治術を行う。
 b)重症多発外傷に伴う四肢骨折・複数の合併骨折:全身状態が悪く早期に観血的治療ができない場合には、開放骨折の有無にかかわらず創外固定での一時的な固定が適応になる。DCO(damage control orthopedics)という概念が普及し、受傷直後には、全身状態が安定してから根治術を行うことが一般的になっている。
 c)骨盤骨折:骨盤環が破壊された不安定型骨盤骨折に対して第1選択である。これは固定のみでなく、止血・除痛・早期の体位変化が可能となる。
 d)骨髄炎を伴う偽関節。
 e)小児の骨折:牽引と固定を兼ねるので早期離床が可能となる。
 f)関節近傍での粉砕骨折:プレートなどの内固定では強固な固定を得られない場合に行う。
 g)大きな骨欠損例に対する骨延長術や変形矯正術:イリザロフやテイラーフレームなどのcircular型創外固定器を用いる。
利点
 a)手技が簡便で侵襲が少ない。
 b)骨折部や軟部組織を損傷しないので骨癒合を妨げない。
 c)骨折部に異物を留置しない。
 d)創の観察や処置に影響しない。
 e)体位変換が容易である。
欠点
 a)ピン刺入部の感染の危険がある。
 b)日常生活が不便である(着衣しづらい・入浴できないなど)。
手技
 四肢では骨折部の近位と遠位に2本以上のピンを刺入し、骨盤では腸骨稜前方部に2-3本刺入しフレームに接続する。透視などで整復位を確認しながらフレームを固定する。ピン刺入の際には、血管、神経、腱の走行に注意する。
治療・管理上の注意
 a)ピン刺入部の感染に注意する。
 b)ピンとフレームの接合部が緩んでいないことを適宜確認する。
 c)整復位を維持できているかX線写真で適宜確認する。



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