成瀬整骨院ブログ

3類感染症、 腸チフス、パラチフスについて

2014年8月22日 10:13

こんにちは横浜市金沢区の変形性膝関節症・成瀬整骨院のスタッフです。


3類感染症、 腸チフス、パラチフスについて以下参考として引用します。


今日の治療方針
私はこう治療している
総編集 山口 敬 北原光夫 福井次矢
TODAY'S THERAPY 2010 医学書院
より引用

3類感染症
腸チフス、パラチフス
Typhoid fever and paratyhoid fever
舘田一博 東邦大学准教授・微生物・感染症学講座

病態と診断
 腸チフス・パラチフスは、それぞれSalmonella TyphiおよびSalmonella Paratyphi Aを原因とする感染症であり、これら細菌で汚染された水・食材を介した糞口感染で伝播する。腸管に侵入した菌は腸管リンパ組織で増殖し、腸管局所に潰瘍が形成されるとともに高率に菌血症の合併がみられる。現在、国内でみられる症例の大多数は輸入感染症であり、東南・中央アジア、インド亜大陸などで感染することが多い。
 潜伏期間は通常10-14日で発症症状としては発熱が多く、体温は次第に上昇し39-40℃に達することもある。この時期に比較的徐脈、バラ疹、脾種の三徴候がみられる(第1病期)。第2病期は極期であり、40℃台の稽留熱に加え、重症例では意識障害もみられる(typhus:ギリシャ語で"ぼんやりした"という意味)。第3病期には徐々にに解熱し、弛張熱、腸出血をきたす。この時期に腸出血に引き続いて、2-3%の患者に腸穿孔がみられることがあるので注意する必要がある。第4病期には解熱し、回復に向かう。生化学的検査では、急性期には白血球は3,000/mm3前後にまで減少する。AST、ALTは軽度上昇(200IU/L程度)、LDHも中程度上昇(1,000IU/L)を示す。腸チフスとパラチフスの臨床症状はほとんど同じであるが、パラチフスは腸チフスに比較して一般的に症状は軽い。
 臨床診断は、1か月以内の海外渡航歴に加え、上記の臨床症状を参考に行う。確定診断にはチフス菌・パラチフスA菌の分離が必要である。有熱期の血液培養陽性率が高く、その他に胆汁、糞便、骨髄液などから原因菌が分離される。本症は、感染症法の3類感染症に指定されており、患者や擬似患者、無症候性保菌者を診断した医師は直ちに保健所へ届ける必要がある。



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